【完】今日もキミにドキドキが止まらない
はぁ、はぁ、はぁっ…………!!!
確かにアレは私の名前を呼んだ……。
まさか噂がホントだったなんてありえないし、恐怖からくる私の空耳だったかもしれない。
でも、低い掠れたような声だったことを思い出して背中が粟立った。
「工藤くん、すごい。もうここまで解いたの?」
「普通だろ。これくらい」
図書室から聞こえるその声にふと目をやれば、大好きな工藤くんの姿がある。
今すぐにでも工藤くんの名前を呼びたくなる。
ようやく息が整って安堵した私だったけれど。
「わたしにも、ココ教えてほしいな?いい?」
工藤くんの隣にいる日野原さんを見て今度は胸がチクリと痛んだ。