【完】今日もキミにドキドキが止まらない
真っ暗でなにも見えない。
恐怖から、私はぎゅっと強く目を閉じた。
どれくらいそうしていただろう。
微かに明るさを感じて恐る恐る目を開く。
電気が復旧したのか蛍光灯は既に元通りついていた。
はぁ……よかった……。
辺りには先程と変わらずに誰の姿もない。
噂のアレはやっぱり噂だったのか……。
ふぅっ、と大きく息を吐き出した。
パタパタパタッ……!!!!
安堵したのも束の間。
さっきよりも大きな音をたてて足音が迫ってくる。
いやいやいや、フェイントかける幽霊とか聞いてないってばーー!!!
再び強く目を閉じてその場にうずくまった。
「見つけた」
だけど、頭上から降ってきたのは、私の大好きな人の声で……。