【完】今日もキミにドキドキが止まらない
学校に着くなり正門前である人を待っている。
ここは私の特等席。
午前8時10分。
無限にドキドキが止まらない時間。
真っ直ぐに伸びた長い髪を少し整える。
きっとそろそろ来る……。
例えこんなにたくさんの人がいても私はすぐに彼を見つけられる。見つけてしまう。
体温上昇中のため11月の朝だっていうのにマフラーだけでも少しも寒くないのだ。
その時、登校中の女の子達から次々に黄色い声があがる。
「見てみて!!特進科の工藤くんだぁ。はぁ……やばいっ。今日も国宝級にカッコいいんだけど!!」
「顔だけでマウント取ってんのに特進科のトップで頭もいいとか、ハイスペックすぎるわ……」
その気持ち、とってもわかります。
好きな人が褒められるって、自分が褒められるより何倍も嬉しくなるから不思議だ。