【完】今日もキミにドキドキが止まらない
「なっ!?工藤くん……!?」
席に座ったまま身体をひねってみれば、そこには口端を上げて私を見下ろす工藤くんが立っていた。
「なに困った顔してんの?」
慌てる私を見てクスッと笑った工藤くんは、ゆったりとした足取りでこちらへと歩いてくる。
「だ、だっていきなり工藤くんが来てくれるなんて……」
私は今、きっとすごく変な顔をしていると思う。
だって、こんなの卑怯だとは思いませんか工藤くん?
頭の中もいつも工藤くんでいっぱいなのに、不意打ちなんて嬉しくて困らないわけがないもん。
そんな私の心情を知ってか知らずか、工藤くんはさらに拍車をかけてくる。