【完】今日もキミにドキドキが止まらない



* * *


「ホームルームを始める前に、みんなちょっといいかー?」


腹まわりが相撲のまわし並にある担任の先生の声に、みんなが一斉に前を向いた。

横綱は今日も破壊力抜群だな、なんて呑気に思っていた私。



---ガラッ

教室の扉が開かれたと同時に、一人の生徒が中へ入ってくるのが見えた。



「転校生を紹介するぞー」



こんな時期に?と、クラスメイトがざわつきだす。


教室の窓際、一番後ろの私の席から、ゆるくかかったウェーブの髪が見えた。


ふわりと揺れるその髪に目を奪われる。


親御さんの都合で---と、横綱が紹介していたけれど、ほとんど私の耳には聞こえていなかった。


そして、教卓の前に立って真っ直ぐ前を見据えるその人物をハッキリと確認出来た時。


“彼”に似てる、と思った。


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