【完】今日もキミにドキドキが止まらない
---どうして逢坂くんがここに?
困惑するしかない私をよそに、そのまま後ろの席に座ると、あの頃と変わらない口調で逢坂くんはこう言った。
「また会えて嬉しい」
* * *
ホームルームが終わるまでの間、気持ちはずっと落ち着かなかった。
放課後、私の席の後ろに集まった女子が逢坂くんを囲んでいた。
質問攻めされてもなお、興味がないのか鬱陶しいのか何一つ答えることのない逢坂くん。
「ふぅん。あれが、前に日菜が話してた、中学の時に告白してきたっていう逢坂氏ってことで間違えないのね?」
「逢坂氏ってなによいっちゃん……。そうだけど……」
「あ、ごめん。すごい大人っぽいから“逢坂くん”って感じしなくてさ」
私は離れたいっちゃんの席まで避難していた。