【完】今日もキミにドキドキが止まらない
「あっ……逢坂くん。うん……さっきまで、友達と話してて」
言いながら慌てて開いたページを閉じる。
「俺は忘れもん取りにきた」
「そうなんだ……」
数日ぶりに言葉を交わした。
出来るだけ不自然にならないように言ったけれど、どこかぎこちなかったかもしれない。
「……ってのは、嘘」
「嘘?」
「下駄箱に春川の靴があったからまだいんのかと思って」
「それで、わざわざ……?」
私は目を丸くして自分の席に腰かける逢坂くんを見た。
「……この前は、悪かったな。あんなこと言って春川のこと困らせた」
あ……。
それがなんのことを言っているのかすぐ理解出来た。