【完】今日もキミにドキドキが止まらない
「でもその時、橘さん達から私を助けてくれたのが工藤くんだった……」
真剣な顔で話しを聞いていた逢坂くんが目を見張った。
「アイツが……?」
どうして、と言いたそうな瞳をしていた。
「工藤くん、塾の帰りだったみたい。それはホント偶然だった思う。でも私は思ったんだよね。クリスマスの夜にあんな人前に晒された私を助けるって、それはとても……勇気がいることじゃないかなって」
困ってる人がいたら助けてあげる。
そんな当たり前のことは頭ではわかっていても、いざ行動に移すとなると、勇気がいることだと思う。
「すげぇな……」
宙を仰いだ瞳がこちらへと降りてきて、私は大きく頷いた。