【完】今日もキミにドキドキが止まらない
「逢坂くんにはたくさん助けられたよ。私、覚えてるもん。気持ち悪くなって教室でうずくまってたら逢坂くんが背中さすってくれたんだよね」
「……あ。あん時はマジで焦った。お前、倒れんじゃねぇかって」
「すごく安心したんだ。ホントは少し怖いなって思ってた時もあったんだけど。逢坂くんと話してる時は、息苦しさが消えていった。だから……ありがとう」
真っ直ぐに、逢坂くんを見つめれば、同じように私を見つめ返してくれる。
「……俺も。学校に行けばクラスの奴はビビって逃げるし、いつだって怖がられて居心地は最悪でさ。でも春川だけは、最初から逃げないで俺と口きいてくれたんだよな」
あの頃と少しも変わらない優しい逢坂くんの声だった。