【完】今日もキミにドキドキが止まらない
「クリスマスぼっちの私のことはお気になさらず……どうぞ二人ともお幸せに……」
「え、息してる?大丈夫?通夜帰りの人みたいな顔してるけど、日菜ホントに大丈夫……?」
こくこくと頭を振って、心配そうな顔でこちらを何度も振り返る零士くんといっちゃんを見送った。
これから楽しい冬休みが開幕するのに、それを壊したくはない。
二人にはいつもありとあらゆる場面で助けてもらってきたけれど、今回ばかりは私ひとりで頑張る番なのだ。
そして私はカバンを持って下駄箱に向かった。
昨日、日野原さんと話していたことを思い浮かべながら特進科クラスが終わるのを待つことにしたのだ。
「秀才とは過ごせそうか?」
不意に飛んできた声に、私は俯いていた顔を上げる。