【完】今日もキミにドキドキが止まらない




涙が溢れてしまいそうになった直後。


喧騒を割くように、突然舞い込んだその声。



「……え?な、なんで?」



思わず私のマヌケな声が零れ落ちる。



「めちゃくちゃ探したんだけど。バカ」



ツリーの灯りに照らされてハッキリと見えた制服姿の工藤くんが、その言葉通り、息を切らしてこちらを見つめていた。



どうして、工藤くんがここに……!?

宮野先生との面談は……!?



「探したって……だって、工藤くん今日は……」


「クリスマスに浮気されるようなことした覚えないんだけど?」



混乱しながら慌てて口を開けば、まだ肩で息をしている工藤くんの不機嫌そうな声が返される。


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