【完】今日もキミにドキドキが止まらない
「はっ。浮気だって?ほったらかしにしてたのはお前の方だろ?春川のこと、全然わかってないくせに」
そんな一連のやり取りを見ていた逢坂くんが、乾いた声で言い放つ。
「わかんないことばっかだよ?」
「は?わかんないだと?」
喧騒の中、こちらへと足を進める工藤くん。
恐る恐る見上げると、吸い込まれそうなくらい優しい瞳をしていた。
「わかんないっていうか、予測不可能ってやつ。急にドキドキさせるとか大真面目に宣言してくるし。そんで、なにすんのか全然読めない」
「……」
「弁当作ってきたかと思えば卵焼きめちゃくちゃうまいし。卑怯だろ。こんなうまいもん作れるとか聞いてない」
また食べたいと言ってくれた工藤くんの顔が脳裏に焼きついている。