【完】今日もキミにドキドキが止まらない
「授業の足引っ張って、周りの奴からは俺のせいだって迷惑がられて。なにもかも投げ出したかった。だけど、そん時の担任が---」
お前みたいに声デカい奴だったんだけど……と、言われてちょっぴり恥ずかしい気持ちになる。
「---“ホントに恥ずかしいのは、最初から諦めてる奴だよ”って。周りにそんなこと言ってくれる大人がいなかったから、すげー嬉しかった」
私を見て微笑む工藤くんの柔らかい表情に、好きだなぁって気持ちが染みるように広がる。
工藤くんは諦めなかったんだね。
特進科のトップに君臨し続けるのも努力の証。
「だから、俺はそういう大人になりたいって思った」
「……え。も、もしかして、学校の先生?」
私の問いに誇らしげに頷いて夢を語る工藤くんの横顔はキラキラと輝いていた。
この世界の誰よりも私には輝いて見える。
先生になった工藤くん……。
想像だけで、もう堪らなくカッコいいんですけど……。
工藤くんの生徒になりたい。