【完】今日もキミにドキドキが止まらない
「お前のおかげ」
「え?」
ポンッと頭に乗せられた工藤くんの手。
「宮野先生でも日野原でもないよ。俺の心を動かせんのは、いつもお前だけだって知ってた?」
ずいっと寄せられた工藤くんの顔の近さに、たちまち鼓動が揺れる。
それは、私もだよ工藤くん……。
工藤くん以外の全ては、一ミリだって私の心を動かしてはくれないもん。
「あの日と同じだね……」
自然と声になったのは、夢を打ち明けてくれた工藤くんに私も精一杯応えたいと思ったからかな。
「……工藤くんは、覚えてないかもしれないけど。ここで……このツリーの前で、私は工藤くんに助けられたんだよ」