【完】今日もキミにドキドキが止まらない
「毎朝待っててくれるのもすげー嬉しい」
「そ、そ、そんなこと一言も言ってなかったのに……っ、ずるいよ」
「あ、でも。風邪引かれたらそれはそれで困るかも」
と、ちょっと考える振りをしてみせる。
「それなら平気……だって、バカは風邪ひかないっていうから、だから大丈夫だよ……っ」
私を腕の中に閉じ込めたまま、工藤くんが小さく吹き出した。
「なに言ってんの。お前は天才だよ?」
「私が、天才………?」
いつもは「バカ」って言うあの工藤くんが、私のことを天才なんて言ってくる。
どういうことなのかと不思議そうに目を上げれば、
「俺のことドキドキさせる“天才”って言ってんの」
---ドキドキさせる、天才?