【完】今日もキミにドキドキが止まらない



なかなか反応がない。
やっぱり手作り弁当なんてまだ私にはハードルが高かったかな……。


朝、お姉ちゃんも「料理したことない奴が作った弁当を食べさせられる相手が気の毒だわー」と、言ってきたくらいだし。



うろたえながら視線を泳がせた後、私はそっと顔を上げる。


工藤くんは、キョトンとした顔でお弁当を見ていた。



「……やば、嬉し」


「えっ?」



聞き取るのがやっとなくらい、ボソッと呟いた工藤くん。



ちょっと待って……?

やばいのは私の方だよ……。


聞き間違えじゃないんだったら私も嬉しすぎるよ工藤くん……!!



「でも……工藤くんの好きな食べ物がわからなくて。あ、けど卵焼きは自信あるよ!?」



お母さんのレシピを拝借したので間違いないと思う!



「……好き、ですか?」


卵焼き……と、恐る恐る聞いてみる。



「好きだよ」


「……っ、」



---“好 き だ よ ”


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