【完】今日もキミにドキドキが止まらない
脳内に甘く染み渡る工藤くんの声。
卵焼きが……ということはわかってるんだけど。
ドキドキしちゃって汗でもかきそうだ……。
「じゃ、じゃあハンバーグは?」
「普通」
「ウインナーは好き…かな?」
「あんまり食べないかも?」
むぅ。
な、なかなか手強い………。
その台詞をもう一度聞きたかったのに、どうやら一筋縄ではいかない。
「お前さ」
「は、はい……」
卵焼きをパクリと食べた工藤くんの痛い視線が、もうめちゃくちゃ刺さる。
卵焼きをつまむその指になりたい……。
なんて一瞬でも考えていたら、
「言わせたいの?」
ギクリ……。
私の見え透いた魂胆はいとも容易く暴かれた。