クズの間に生まれた子どもはクズなのか?
あの駆け落ちから数年、私は小川玲としてデンマークで幸せに暮らしている。デンマークは幸せな国だ。
「玲、今日はどこかへみんなで食べに行こうか」
仕事から帰って来た五十鈴くんが私に言う。私は「そうね。おいしいお店を教えてもらったし、そこに行きましょう」と微笑む。
「善、今日は食べに行くぞ〜」
五十鈴くんがそう言うと、善が絵本から顔を上げる。
「本当!?行く!!」
そうはしゃぐ善を見て、私と五十鈴くんは微笑む。もうすぐではしゃぐ人が増える予定。
「今度はきちんと立ち会えるよ」
五十鈴くんが私のお腹に触れ、微笑む。私も「嬉しい」と笑った。