Distorted revenge
「瑞姫、実はね......」
「どうしたの?いきなり落ち込んで。」
「私も川津から瑞姫と同じような事されたの。」
さあ、何て返してくる。
「何で言ってくれなかったの?」
そう来たか。理由を聞いてくるとは。驚いた。
何て答えようか。
「みんなに迷惑かけたくなくてさ......」
「迷惑だなんてとんでもないよ!」
だいたいの人はそう答えるのさ。
「さっき復讐してやるって言ってたけど、
ほんとにしてやりたい?」
「うん!今すぐでもしてやりたいよ!」
果奈恵は仲間を手にいれた。
よし、第一段階クリアだ。
「私も川津にしてやりたいと思ってたからさ、
一緒に復讐してみない?」
「もちろん協力するよ。」
その言葉を間ってました。
さて、どうやって復讐してやろうか。
「何か良い復讐のアイデアある?」
「ごめん、持ってないや。果奈恵は?」
実のところ私もまだ具体的な案は持ってない。
「まだ無いかな。何か川津の情報無いかな。」
「うちもよくわからないから、川津君の
友達に聞いてみるね。」
不安でしかない。まあ何とかなるか。
「くれぐれも本人にばれないようにね?」
「大丈夫だよ。気を付けるから。」
さて、私も聞き込みしますかな。
と言っても誰に聞けば良いのやら。
これは長くなりそうだ。
「瑞姫は誰に聞こうとしてるの?」
「とりあえず彼のパートの子に聞いてみるよ。」
確かに後輩なら安心かもしれないな。
私もその線をたどってみよう。
「果奈恵は誰に聞くの?」
「とりあえず吹奏楽部の人に聞こうかな」
というか部内の人にしか聞けないからだ。
川津は学校の中ではかなり知名度が高く、
それ故あいつの配下にいる人も多い。
これが何を意味しているかわかるだろうか。
簡単に言おう。
この学校は......

「川津が絶対なのだ。」

だから迂闊に行動ができないのだ。
少しでもこの話が川津に伝わったら
何で報復してくるか想像がつかない。
だが、これだけは分かる。
二度と呼吸が出来なくなるだろう。
正直瑞姫に関わって欲しくなかった。
下手したら学校に来れなくなるほどの事を
される可能性がある。
しかし私もいるから、いざとなったら
全ての責任を私に向けよう。
そうすれば瑞姫に影響は無くなるはずだ。
さてと、聞き込みを始めようかな。
と言っても誰から聞いていこうかな......
聞く当ても無くぼーっとしていた私に
後ろから話しかけてくる輩がいた。
「せーんぱい!」
後ろから話しかけてきた男子は
大森 結城 一年生だ。
彼は部の中ではかなりイケメンに分類される
勝ち組である。
しかし彼はいつも極度の天然状態であるため、
周りからは「残念なイケメン」という
残念な称号を与えられている。
本人はあまり気にしていないが、
天然じゃなければ良好物件である。
「なんでそんなに落ち込んでるんですか?」
大森君は川津と超が付くほど仲良しだ。
多分部内で一番川津と繋がっているであろう。
さて、まずは彼に聞き込みをするかな。
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