ママですが、極上御曹司に娶られました
保育園は駅前にある。近くにある『アケボノごはん駅前店』でお惣菜を買った。今日はトマトサラダ。お肉は家にあるし、オクラが残っていたのでお味噌汁に入れよう。
ちょうど私が代わりで入る話がいっていたので、店舗責任者の菅野さんという男性と世間話程度に話をして、自転車で帰宅した。
新とふたりで暮らすのは二階建アパートの二階の角部屋だ。外観は綺麗だけれど、築二十五年の木造の1LDK。新が年頃になったら、ひとり部屋を作るために引っ越さねばならないだろう。
玄関を開けようと鍵を捜していると、カンカンと階段を上がる音が聞こえてきた。お隣さんかと思ったら現れたのは弟の栄司(えいじ)だった。
「おう、姉ちゃん、新。メシ食わせて」
「栄司だー!」
新が喜んで飛びついていく。
作業着にスーツのスラックスという恰好の栄司は、建設会社の現場担当だ。同じ東武蔵市のはずれにある社員寮に住んでいて、週に何度かバイクで私たちのところへやって来る。
「お味噌汁、オクラだけどいい?」
「ええー? 俺オクラ嫌い! ワカメにしてよ」
二十八歳にもなって子どもみたいなことを言う。新が勝ち誇った顔で栄司を見上げた。
「僕、オクラ好きー。好き嫌いイッコもないもん。栄司ダッセェ!」
「こーら、言葉使い」
私は注意しながら鍵を開けて、味噌汁の具材をワカメと豆腐に変更してあげることを考えた。
ちょうど私が代わりで入る話がいっていたので、店舗責任者の菅野さんという男性と世間話程度に話をして、自転車で帰宅した。
新とふたりで暮らすのは二階建アパートの二階の角部屋だ。外観は綺麗だけれど、築二十五年の木造の1LDK。新が年頃になったら、ひとり部屋を作るために引っ越さねばならないだろう。
玄関を開けようと鍵を捜していると、カンカンと階段を上がる音が聞こえてきた。お隣さんかと思ったら現れたのは弟の栄司(えいじ)だった。
「おう、姉ちゃん、新。メシ食わせて」
「栄司だー!」
新が喜んで飛びついていく。
作業着にスーツのスラックスという恰好の栄司は、建設会社の現場担当だ。同じ東武蔵市のはずれにある社員寮に住んでいて、週に何度かバイクで私たちのところへやって来る。
「お味噌汁、オクラだけどいい?」
「ええー? 俺オクラ嫌い! ワカメにしてよ」
二十八歳にもなって子どもみたいなことを言う。新が勝ち誇った顔で栄司を見上げた。
「僕、オクラ好きー。好き嫌いイッコもないもん。栄司ダッセェ!」
「こーら、言葉使い」
私は注意しながら鍵を開けて、味噌汁の具材をワカメと豆腐に変更してあげることを考えた。