基準値きみのキングダム
眉間にしわを寄せた私に、深見くんはちょっと呆れた顔をして笑った。
うーん……と首をひねりながら深見くんのことを見ていたら「あ」とようやくひとつ思いつく。
「深見くん、明日、朝起きたら、連絡してもいい?」
今の状況があまりにも夢みたいだから。
寝て起きたら夢でしたってそんなオチ、悲しすぎるから。
「いーよ。てか、そのまま待ち合わせてデートする?」
「えっ」
「外出んの厳しかったら、そっち行くし」
とか言って俺が会いたいだけなんだけど、と後ろ首を押さえながら言う深見くんに、気づけば頷いていた。
「……する、デート」
「ん。じゃー決定な」