売れ残りですが結婚してください
だがそんな二人とは全く考えが違っていたのが三女の育だった。

「でもさ、私はいいと思うよ。だって翠ちゃん、男っ気ないしこのまま独身貫きそうじゃん。
それに向こうは大歓迎なわけでしょ?翠ちゃんにとってはラッキーかもしれないよ。漫画のネタになりそう」

ポジティブすぎる三女に忠明は「お前は母さんそっくりだな」とつぶやいた。

「ところで、このこと翠は知ってるの?」

唯の問いかけに忠明は首を横に振った。

「え?じゃあいつ?」

「今から話す予定」

「えーー!」

誕生日を祝ってる場合じゃないんじゃないの?と慌てる唯に忠明はすがるような目で育を見つめた。

「頼む育、翠が拒んだら俺を援護してくれ」

まさかこんなことになるとはと唯はうなだれた。

すると何も知らない翠がひょっこり顔を出した。

「遅れてごめんね」

3人は小刻みに首を横に振った。
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