売れ残りですが結婚してください
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「結婚っていいですか?」
翌日、翠は同じ美術館に勤務する2つ上の石神由紀恵に質問をした。
石神は3年間の交際を得て1年ほど前に結婚した。
世間でいう「新婚」というカテゴリーに入る石神なら結婚の良さを語ってくれると思ったからだ。
だが、真面目一本、男っ気ゼロの翠の口から結婚という二文字が出てきたこと自体、石神には驚きだった。
「どうしたの急に……」
「実は私も結婚するみたいなんです」
翠の他人事のような爆弾発言に石神は目を丸くした。
「え?ちょっと待って。今結婚するみたいって言ったよね?」
確認するように尋ねると翠はコクンと頷いた。
だが石神は翠の言葉に疑問を持った。
なんで『するみたい』と言ったのか?
「翠ちゃんて彼氏いたっけ?」
もちろん、彼氏などいないを前提に聞いた。
「いませんよ」
そんなこと知ってるでしょ?と呆れた様子。
「だから確認のために聞いたの。じゃあお見合いでもしたの?」
興味津々に尋ねる石神に翠はやはり他人事のように呟いた。
「私に許嫁がいたみたいなんです」
翌日、翠は同じ美術館に勤務する2つ上の石神由紀恵に質問をした。
石神は3年間の交際を得て1年ほど前に結婚した。
世間でいう「新婚」というカテゴリーに入る石神なら結婚の良さを語ってくれると思ったからだ。
だが、真面目一本、男っ気ゼロの翠の口から結婚という二文字が出てきたこと自体、石神には驚きだった。
「どうしたの急に……」
「実は私も結婚するみたいなんです」
翠の他人事のような爆弾発言に石神は目を丸くした。
「え?ちょっと待って。今結婚するみたいって言ったよね?」
確認するように尋ねると翠はコクンと頷いた。
だが石神は翠の言葉に疑問を持った。
なんで『するみたい』と言ったのか?
「翠ちゃんて彼氏いたっけ?」
もちろん、彼氏などいないを前提に聞いた。
「いませんよ」
そんなこと知ってるでしょ?と呆れた様子。
「だから確認のために聞いたの。じゃあお見合いでもしたの?」
興味津々に尋ねる石神に翠はやはり他人事のように呟いた。
「私に許嫁がいたみたいなんです」