売れ残りですが結婚してください
「え?」
「僕のことはシュウって呼び捨てでいい。だから君のこともさん付けなしの翠でいいかな?」
「……はい」
「翠」
シュウが翠を呼んだ。
その声がなんだかすごく優しく囁いているように聞こえた翠はドキッとした。
(名前を呼ばれただけなのに)
「翠?」
再び呼ばれ翠はとっさに姿勢を正し「はい」と返事をした。
「はいこれ」
シュウが紙袋を差し出した。
翠はそれを受け取ると中身を確認し驚く。
「これは……」
シュウが翠に差し出したのは展覧会の売店で売っていた写真集だった。
「今の君にはこれが一番喜んでくれるものかと思って」
でも翠は戸惑った。
長時間もシュウを待たせるようなことをしていながらプレゼントまで……。
「でも私、自分のことばかりで……本来なら私がお礼をしなきゃいけないのに」
もちろんシュウがいうように翠にとっては一番嬉しい贈り物だった。
「じゃあ僕の名前を呼んで」
「え?」
あまりに突飛なお願いに翠は目を丸くした。
「僕のことはシュウって呼び捨てでいい。だから君のこともさん付けなしの翠でいいかな?」
「……はい」
「翠」
シュウが翠を呼んだ。
その声がなんだかすごく優しく囁いているように聞こえた翠はドキッとした。
(名前を呼ばれただけなのに)
「翠?」
再び呼ばれ翠はとっさに姿勢を正し「はい」と返事をした。
「はいこれ」
シュウが紙袋を差し出した。
翠はそれを受け取ると中身を確認し驚く。
「これは……」
シュウが翠に差し出したのは展覧会の売店で売っていた写真集だった。
「今の君にはこれが一番喜んでくれるものかと思って」
でも翠は戸惑った。
長時間もシュウを待たせるようなことをしていながらプレゼントまで……。
「でも私、自分のことばかりで……本来なら私がお礼をしなきゃいけないのに」
もちろんシュウがいうように翠にとっては一番嬉しい贈り物だった。
「じゃあ僕の名前を呼んで」
「え?」
あまりに突飛なお願いに翠は目を丸くした。