売れ残りですが結婚してください
4
「暗くない?一体これどこで撮ったのよ」
翠の職場の先輩である石神が翠のスマートフォンを凝視していた。
画面に映し出されているのはシュウ。
だが周りが暗すぎてはっきり見えないのだ。石神は画像を拡大し目を凝らしながらシュウを必死に見ていた。
「すみません。帰り際に思い出して写真を撮ったんですがカメラのフラッシュを消していたみたいで……」
「だろうね」
石神は随分がっかりした様子だったが、ぼやけながらも写っているシュウという男がかなりのイケメンだということだけはわかったようだった。
「で?どうだった?」
すると翠は目を輝かせた。
「やはり光琳の作品は素晴らしいです。彼の才能に惚れ直しちゃいました。特に––」
翠は展覧会での感想を話すのだが、石神が聞きたいのはそんなことではない。
シュウとのデートのことだ。
ただ翠がシュウのことを話さないということは自分が思っているような恋愛という展開には至らなかったのだと感じた。
だが相手は翠だ。もしかすると本人が気づいていだけなのではと思い、翠が熱心に展覧会の感想を述べているのを無理やり止める。
翠の職場の先輩である石神が翠のスマートフォンを凝視していた。
画面に映し出されているのはシュウ。
だが周りが暗すぎてはっきり見えないのだ。石神は画像を拡大し目を凝らしながらシュウを必死に見ていた。
「すみません。帰り際に思い出して写真を撮ったんですがカメラのフラッシュを消していたみたいで……」
「だろうね」
石神は随分がっかりした様子だったが、ぼやけながらも写っているシュウという男がかなりのイケメンだということだけはわかったようだった。
「で?どうだった?」
すると翠は目を輝かせた。
「やはり光琳の作品は素晴らしいです。彼の才能に惚れ直しちゃいました。特に––」
翠は展覧会での感想を話すのだが、石神が聞きたいのはそんなことではない。
シュウとのデートのことだ。
ただ翠がシュウのことを話さないということは自分が思っているような恋愛という展開には至らなかったのだと感じた。
だが相手は翠だ。もしかすると本人が気づいていだけなのではと思い、翠が熱心に展覧会の感想を述べているのを無理やり止める。