売れ残りですが結婚してください
忠明と冴子の間に3人の娘がいる。

近所では美人三姉妹と噂されてるが性格はバラバラだ。

長女の(ゆい)は現在30歳。化粧品メーカーのBAとし働いている。

付き合って5年になる恋人と先日婚約したばかり。

次女の(すい)は博物館で学芸員として働く27歳。年齢と彼氏居ない歴がイコールしている。

三女の(いく)は現在漫画家として活躍中の25歳。誰よりも先に結婚し、今は2歳になる女の子がいる。

その3人の中から1人を古川家の嫁に出すというのだが、今フリーなのは次女の翠だけ。

花嫁候補が一人いるのだから安心したいところなのだが、翠だからこそ2人は心配なのだ。

「今更何言ってるのよお父さん。翠でよかったと私は思うわよ。だって自分でいい人なんか見つけてくるとは思えないんだもん。それに翠だったら素直にあの話、聞き入れてくれるわよ」

冴子のあっけらかんとした態度を見て忠明は心配性な自分の性格を恨んだ。

自分の娘を悪くいうつもりはないが、翠は超がつくほど真面目で浮いた話一つない。

そんな翠を古川家に嫁がせるのは不安しかない。
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