求愛一夜~次期社長とふたり暮らししています~
甘く唇を食まれ、見つめ合ってから、また触れ合わせて。

触れ合う度に深まるキスに、身も心も溶かされていく。高まる体温は心地よく、すべてを彼に捧げたくなった。

上原課長のこと、こんなに好きになってたんだ……。

自分でも知らないうちに、心はこんなにも彼に捕われていた。
言いようのない幸福感に満たされ、溢れ出る想いを伝え合う。

「好きです……」

「俺の方が好きだよ」

「私だって負けません」

おかしな意地の張り合いをし、クスッと笑い合い、惹かれあうまま唇を重ねた。

ややあって、熱を籠った眼差しに射抜かれる。

「ごめん。止められそうもない……」

意味が分からないほど、子供じゃない。
むしろ、その言葉を待っていた気もする。

心よりも正直な身体は疼くようになる。
声にするのを躊躇って頷くと、無言で手を引かれ、彼の自室に連れられて行った。
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