求愛一夜~次期社長とふたり暮らししています~
だから先週会った時はタガが外れたように激しく求められた。

「本当……?」

背が高い彼を仰ぐと、答えの代わりに唇を奪われた。上唇を食まれて愛おしさを注ぐような口づけを重ねる。

彼はキスが上手い。

熱い舌先に手管に酔わされながら、浴衣の腰紐をするりと解かれる。はらりと浴衣が肩から落ちると、うなじに唇を押し当てられた。

「美月。最近ますます綺麗になった」

「そんなこと……ないよ」

「そう? 綺麗だって言われない?」

「言われないねぇ。ははっ」

軽く笑い飛ばしたが、心では冷や汗を垂れ流している。

うわあ、鋭い! 鋭すぎるよ!


仙台に来てまだ半年だが、支社の男性社員に口説かれた。なんとふたりもだ。加えて街でもよくナンパされる。

それはすべて上原課長のお蔭。なぜなら彼は私を大事に扱ってくれるから。

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