求愛一夜~次期社長とふたり暮らししています~
一生に一度のプロポーズをされたというのに、なんて色気のない。
でも、涙だか鼻水だか雨だか分からない、ぐちゃぐちゃな私を彼は躊躇いもなく抱き締めてくれる。片手では足りないようで、傘を投げ捨て両手でしっかりと強く。
こんなに幸せでいいのかな、私……。
驚愕のプロポーズの余韻に浸りながら、温かな胸に顔を埋めた。
彼も同じ気持ちなんだろう。言葉なんていらない。
愛する人の温もりを肌で感じながらから、しばし無言で抱き合う。そして、はたと気づいた。
「ありささんは、いいの?」
「えっ……誰?」
私を抱く腕を緩めた彼がキョトンした顔になる。何を言っているんだとばかりに。
「旅行の時、寝言で言ってたよ。ありさって何度も……」
「寝言……。あぁ、そういうこと」
視線を宙に泳がせた彼が、合点がいったとばかりに笑う。
でも、涙だか鼻水だか雨だか分からない、ぐちゃぐちゃな私を彼は躊躇いもなく抱き締めてくれる。片手では足りないようで、傘を投げ捨て両手でしっかりと強く。
こんなに幸せでいいのかな、私……。
驚愕のプロポーズの余韻に浸りながら、温かな胸に顔を埋めた。
彼も同じ気持ちなんだろう。言葉なんていらない。
愛する人の温もりを肌で感じながらから、しばし無言で抱き合う。そして、はたと気づいた。
「ありささんは、いいの?」
「えっ……誰?」
私を抱く腕を緩めた彼がキョトンした顔になる。何を言っているんだとばかりに。
「旅行の時、寝言で言ってたよ。ありさって何度も……」
「寝言……。あぁ、そういうこと」
視線を宙に泳がせた彼が、合点がいったとばかりに笑う。