求愛一夜~次期社長とふたり暮らししています~
鳩が豆鉄砲を食ったような顔が可愛く見え、クスッと笑ってしまう。
「私、そこそこ料理出来るんですよ。意外と思われるかもしれないですけど」
「そんなこと思ってない。いつも美味しそうなお弁当を作っててすごいなぁって思ってるし」
手放しの賛辞が照れくさくて、鼻の頭を手でこすりながら言う。
「そんなこと言ってくれるの、上原課長くらいですよ。営業部の男連中は、『中野の奴、いい年してお母さんに作って貰ってる』って絶対思ってますし」
「僕にとって、それは……」
彼が言いかけると、『上原暁人さん、中野美月さん』と我々の名が待合室に響いた。
「上原課長。呼ばれましたよ」
「そうだね。行こうか」
「今度は遠慮せず、持たせてくださいね?」
「うん。ありがとう」
右肩にバッグを掛けてソファから立ち上がる。姪っ子さんへのお土産は左手に持ち、上原課長と会計を済ませたのだった。
「私、そこそこ料理出来るんですよ。意外と思われるかもしれないですけど」
「そんなこと思ってない。いつも美味しそうなお弁当を作っててすごいなぁって思ってるし」
手放しの賛辞が照れくさくて、鼻の頭を手でこすりながら言う。
「そんなこと言ってくれるの、上原課長くらいですよ。営業部の男連中は、『中野の奴、いい年してお母さんに作って貰ってる』って絶対思ってますし」
「僕にとって、それは……」
彼が言いかけると、『上原暁人さん、中野美月さん』と我々の名が待合室に響いた。
「上原課長。呼ばれましたよ」
「そうだね。行こうか」
「今度は遠慮せず、持たせてくださいね?」
「うん。ありがとう」
右肩にバッグを掛けてソファから立ち上がる。姪っ子さんへのお土産は左手に持ち、上原課長と会計を済ませたのだった。