求愛一夜~次期社長とふたり暮らししています~
オレンジの夕闇に包まれた街を私達はタクシーでひた走った。そうして車に揺られること十分。背の高い街路樹に取り囲まれた高層マンションのエントランス前にタクシーは停車する。
セレブリティな高層マンションには、コンシェルジュまでいるようだ。上品な紅色のワンピーススーツを着た女性が、タクシーを降りた私達に近づく。
「上原様、お帰りなさいませ。その手は……」
女性がハッとした顔で上原課長の包帯を見やり、私の胸が痛み出す。
バツが悪くて仕方ない私を気遣ったのか。上原課長が彼女に話を振った。
「凜はどうしてますか?」
「保育園からお帰りになって、今はキッズルームで読書をされています」
「ありがとうございます。それじゃあ、中野さん」
行こうとばかりに目で促され、一礼するコンシェルジュを置いて、私達はこの場を離れた。
彼の姪っ子、凜ちゃんがいるキッズルームは、玄関ホールのすぐそばだ。
セレブリティな高層マンションには、コンシェルジュまでいるようだ。上品な紅色のワンピーススーツを着た女性が、タクシーを降りた私達に近づく。
「上原様、お帰りなさいませ。その手は……」
女性がハッとした顔で上原課長の包帯を見やり、私の胸が痛み出す。
バツが悪くて仕方ない私を気遣ったのか。上原課長が彼女に話を振った。
「凜はどうしてますか?」
「保育園からお帰りになって、今はキッズルームで読書をされています」
「ありがとうございます。それじゃあ、中野さん」
行こうとばかりに目で促され、一礼するコンシェルジュを置いて、私達はこの場を離れた。
彼の姪っ子、凜ちゃんがいるキッズルームは、玄関ホールのすぐそばだ。