求愛一夜~次期社長とふたり暮らししています~
不安に思うのはそれだけ大切だから。
それが沢山あるのは、きっと幸せなことだろうから……。
上原課長の優しさが胸に染みて、心まで前向きになる。
彼がいたわるように優しく、頬を伝った涙の筋を拭ってくれる。
胸をいっそう震わせる言葉を最後に貰えた。
「雨上がりは虹が出る。居なくなった皆も、きっと戻ってくる。俺は一番に駆けつける」
嬉し涙で目を腫らしたのは、生まれて初めてのことだった――。