求愛一夜~次期社長とふたり暮らししています~
ここに住んだら、凜ちゃんにもっと折り紙を教えてあげられるよなぁ……。でも、上原ファンが恐ろしい……。
ああああっ、どうしよう! 

食事中に行儀が悪いが、テーブルに両肘をついて頭を抱える。
するとガタッと物音がして、椅子に座る私に凜ちゃんが抱きついてきた。

「凜。美月ちゃんと、もっと一緒にいたい!」

「凜ちゃん……」

「ねぇ、ダメ?」

膝にすがりつく彼女がちらっと上目遣いになる。懇願の眼差しを貰い、キュンッと胸が疼いた。

ああ、それズルいなあ。キャバ嬢に貢ぐオジさんの気持ちが分かっちゃったよ!

上原課長の血縁者だけあって、凜ちゃんは色白で目がくりっとしていて、おとぎ話に出て来るお姫様のように可愛いらしい。

見た目の可愛さだけでなく、性格も素直だ。そして上原課長に似て気遣い屋さん。

一緒にお風呂に入った時、凜ちゃんがポロッと零したことがある。


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