求愛一夜~次期社長とふたり暮らししています~
血流に乗ったよう羞恥が全身を覆い尽くし、耳まで紅潮しているのが自分でも分かる。

恥かしさに居たたまれなく俯くと、切なさに似た声が湯気に包まれるよう響いた。

「本当、放っておけない……」

姿のない何者から守るよう、逞しい腕が私の身体を包み込む。

温もりを肌で感じ、幸せな熱で心まで溶かされるのを感じた。

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