求愛一夜~次期社長とふたり暮らししています~
それって、因果応報じゃないの……。
これほどぴったりハマる言葉もないだろう。
話を聞いてますます呆れると、私の心中を見ようともしない彼が話を続けた。
「彼女と付き合ってみて、なんかしっくりこなかったんだ。やっぱり、美優みたいな大人の女がいいなって思うし」
なんて自分勝手なんだ。
『美月は大人だから、俺がいなくても大丈夫』
そう言って、私から離れたくせに……。
大人の女って言葉を都合よく使われ、無性に腹が立った。
勝手なことをつらつらと言い並べる夏輝は、私が好きだった彼なんだろうか?
残念なことに間違いなくそうだ。確かに好きだった。だから、これ以上幻滅させないで欲しい……。
「離して。私は元に戻る気はないから」
「なんでだよ。だって……」
手を払おうとすると、すがるようにグイッと手首を引かれる。
痛いっ……。