政略結婚は純愛のように~狼社長は新妻を一途に愛しすぎている~
「今のはお仕置きだぞ。」
信じられないことを言って隆之が由梨を覗き込む。
まだ身体に力が入らない由梨はぼんやりとその瞳を見つめた。
「呼び方を間違えるたびに、今のキスだ。わかったか?」
由梨はふるふると首を振る。
「あ、あんな…キス。だ、ダメです。」
「あんなキスってどんなだ?ん?」
隆之は由梨の耳に唇をよせて囁いた。
びくりと思わず肩をすくめる由梨にもお構いなしで、ペロリと耳を舐めた。
「きゃう…!」
由梨は身体をしならせる。
「やっ…だめ、しゃ、ちょ…う…あっ…!」
「ほらまた。」
再びの深いキス。
由梨の思考は巧みな隆之によってまた、とろかされてゆく。
お仕置きなんて言葉だけでなんだかご褒美をもらっている気分だった。
口づけを解いた隆之は濡れた瞳の由梨を見下ろしてふっと笑う。
唇が濡れているのが酷く扇情的だった。
由梨はまるで自分が小さなウサギになってしまったような錯覚を覚える。
気高き狼に襲われる前の獲物のように動けない。
「た、たか…ゆきさん。」
隆之がふっと微笑む。
そして良くできましたとでもいうように、由梨の頭を撫でた。
あぁこれで許してもらえると由梨は胸を撫で下ろす。
隆之の狼の瞳は、酷く魅力的だけれど心臓に悪いのだ。
今だって痛いくらいに鳴っていて、今にも飛び出して来そうなくらいだ。
けれどそんな由梨の期待を裏切るように隆之は由梨の耳に再び唇を寄せた。
そしてペロリと舐めたかと思うと、おもむろにそれを口に含んだ。
「きゃっ…!あ、んんっ…!」
突然の刺激から逃れようと身をよじる由梨を当然隆之は許さない。
大きな手でがっしりと頭を固定し、捕らえた獲物を楽しむように食んでゆく。
「…うれしかった。由梨があんな風に言ってくれて。」
隆之が由梨の耳を舐りながら囁く。
低い声が由梨の脳に直接甘く響いた。
「そん…な、私、夢中で…。」
隆之の耳からの刺激は由梨の全身を駆け巡り、うまく言葉を紡ぐことができない。
「そ、それに…私の言葉なんて…。」
今井家ではなんの影響力もない。
「俺は…由梨が由梨の言葉で北部支社を守ってくれたのが嬉しかった…。俺の妻と自分から言ってくれたのも初めてだ。」
そうだったかな、と由梨は霞む思考で考える。
芳子に意見するなんて今までの自分では考えもしなかったような大それたことをしてしまったけれど、そのことが隆之のためになったのであれば、良かった。
胸の中に暖かいものが広がった。
隆之が微笑んだのを由梨は耳に掛かる吐息で感じる。
なんだかくすぐったくて首をすくめると、隆之が耳を食むのをやめた。
見上げると極上の笑みを浮かべて由梨を見つめている。
「た、隆之さんに喜んで頂けたなら、よかったです。」
つられて思わず由梨も微笑んだ。
信じられないことを言って隆之が由梨を覗き込む。
まだ身体に力が入らない由梨はぼんやりとその瞳を見つめた。
「呼び方を間違えるたびに、今のキスだ。わかったか?」
由梨はふるふると首を振る。
「あ、あんな…キス。だ、ダメです。」
「あんなキスってどんなだ?ん?」
隆之は由梨の耳に唇をよせて囁いた。
びくりと思わず肩をすくめる由梨にもお構いなしで、ペロリと耳を舐めた。
「きゃう…!」
由梨は身体をしならせる。
「やっ…だめ、しゃ、ちょ…う…あっ…!」
「ほらまた。」
再びの深いキス。
由梨の思考は巧みな隆之によってまた、とろかされてゆく。
お仕置きなんて言葉だけでなんだかご褒美をもらっている気分だった。
口づけを解いた隆之は濡れた瞳の由梨を見下ろしてふっと笑う。
唇が濡れているのが酷く扇情的だった。
由梨はまるで自分が小さなウサギになってしまったような錯覚を覚える。
気高き狼に襲われる前の獲物のように動けない。
「た、たか…ゆきさん。」
隆之がふっと微笑む。
そして良くできましたとでもいうように、由梨の頭を撫でた。
あぁこれで許してもらえると由梨は胸を撫で下ろす。
隆之の狼の瞳は、酷く魅力的だけれど心臓に悪いのだ。
今だって痛いくらいに鳴っていて、今にも飛び出して来そうなくらいだ。
けれどそんな由梨の期待を裏切るように隆之は由梨の耳に再び唇を寄せた。
そしてペロリと舐めたかと思うと、おもむろにそれを口に含んだ。
「きゃっ…!あ、んんっ…!」
突然の刺激から逃れようと身をよじる由梨を当然隆之は許さない。
大きな手でがっしりと頭を固定し、捕らえた獲物を楽しむように食んでゆく。
「…うれしかった。由梨があんな風に言ってくれて。」
隆之が由梨の耳を舐りながら囁く。
低い声が由梨の脳に直接甘く響いた。
「そん…な、私、夢中で…。」
隆之の耳からの刺激は由梨の全身を駆け巡り、うまく言葉を紡ぐことができない。
「そ、それに…私の言葉なんて…。」
今井家ではなんの影響力もない。
「俺は…由梨が由梨の言葉で北部支社を守ってくれたのが嬉しかった…。俺の妻と自分から言ってくれたのも初めてだ。」
そうだったかな、と由梨は霞む思考で考える。
芳子に意見するなんて今までの自分では考えもしなかったような大それたことをしてしまったけれど、そのことが隆之のためになったのであれば、良かった。
胸の中に暖かいものが広がった。
隆之が微笑んだのを由梨は耳に掛かる吐息で感じる。
なんだかくすぐったくて首をすくめると、隆之が耳を食むのをやめた。
見上げると極上の笑みを浮かべて由梨を見つめている。
「た、隆之さんに喜んで頂けたなら、よかったです。」
つられて思わず由梨も微笑んだ。