この雪の下で春を待つ
「ごめん、フー」
俺は強くなんかないから、怖くて仕方ないんだ。
フーがいなくなることが怖い。
フーと一緒にいられなくなるのが怖い。
だから最悪、春を探しに行けなくなったって構わない。フーといられるならそれでいい。たとえそこが地獄だとしても…。
じっとフーの寝顔を見つめていたリークは、不意に冷たさを感じて顔を上げる。
見ると、鉄格子の外から雪が投げ込まれている。鉄格子の外を睨みつけると、リークは立ち上がった。
フーを毛布に包みなおして地下の部屋を出て裏口の戸を開けた。