この雪の下で春を待つ
普段なら、そんなことを言えば即刻殺されていたかもしれない。
だが、今のジーンには目の前で激しく燃える命を消し去ることなど到底できなかった。
自嘲する。リークの言い分は正しい。彼らはただ、不運なだけだったのだ。親に捨てられた。この地球が、口先だけの理想主義者が生み出してしまった過ちが彼らなのだ。彼らを責める筋合いなどない…。
今度こそ戦意を喪失させたジーンは顔を上げられなかった。
リークは不愉快だとでも言うように、いびつを返し裏口の戸を大きな音を立てて閉める。
閉じられたドアの先にいるであろうジーンの姿を想像して、リークは舌打ちした。