この雪の下で春を待つ
「リーク?」
「っ!?フー、起きたのか」
真っ赤な毛布を右手に持って引きずっているフーは、じっとドアの向こうを見つめていた。聞かれていたのかと、リークは顔を歪めた。
「リーク…」
「フー、もう寝よう。俺疲れちゃった」
「でも…」
「フー」
それ以上言うなと無言の圧力をかけると、フーは納得しないままに頷く。
リークはフーの手を引いて地下の部屋に戻る。2人で横になって真っ赤な毛布に身を包んで、リークはフーの体を抱きしめた。
関わりは最小限。それは孤児の中でも暗黙の了解。
リークは考えを絶つように目を閉じて眠ることに徹した。