この雪の下で春を待つ
翌日、日の昇らないうちから癇癪を起したフーにとうとうリークが折れた。
1時間だけの条件で外に出て雪合戦をするが、リークは周囲に警戒を向けていて、ほとんどフーを見ていない。
そのせいで、今も一生懸命作ったらしい雪玉を転がして近づいてきているフーに気づいていない。
「リーク!」
「は?うわっ!!?」
よいしょと全体重を乗せて体当たりした雪玉はリークにころころと転がっていくと、しっかりリークに当たった。
決して痛くはないのだが、大きさが自分の身長の半分はある。そのことにリークは呆然とした。
フーはフーで喜んでいるので、リークは少しだけ笑ってフーを見つめ街の方角を見た瞬間、表情が凍る。