この雪の下で春を待つ

「それと、それを俺が作ったのは秘密だ。これ以上俺はあんたたちの注文を受けるつもりなんてない」


背を向け、歩き出すリークにジーンは慌ててその肩を掴む。だが、その手はすぐに振り払われた。

「報酬も何もいらない、もう俺に関わるな」

リークはそう言い放つと、外へ飛び出していった。

ジーンは振り払われた自分の手を見下ろしていたが、去って行ったリークの背につぶやくような声で「ありがとう」と言った。
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