この雪の下で春を待つ
「うわッ!?」
「リーク!」
突然、左の足首に激痛が走りその場に倒れる。
フーが目を丸くして口を手で覆う。リークの左足には、狩人が獲物を捕まえるために使う罠のトラバサミが牙をむいていた。足を挟んでいる部分がのこぎり状になっている。
その歯がリークの足に食い込んで、真っ白な雪を赤に染めていく。
「フー、逃げろ…」
「いや!リーク、1人しない!!」
ポールとの距離は大分引き離している。
フーは必死にリークの足を挟んでいるトラバサミを開こうと力を込めるが、フーの力ではとてもではないが開けるような代物ではなかった。
リークも痛みに耐えながら、開こうとするが痛みが勝って力が入らない。