この雪の下で春を待つ

「助けてくれたこと、感謝してる。ありがとう」

「そんなことを言うくらいなら、お前はあのチビをちゃんと守ってやるんだな」

ダイの無愛想さにリークは少しだけ苦笑した。そして、言われなくたってそうすると答えると、鼻で笑うような声が聞こえてきた。

少し後ろを歩くフーは、ダイをじっと見上げていた。

ダイの家に着くと、リークの足の傷は針と糸で縫ってようやく傷が閉じた。

血を失って、少し顔色が悪くなってしまったリークを見たダイは、何も言わずに2人分の寝床と食事を与えてくれた。

そこまでしてもらえるとは思っていなかったリークは謙遜して帰ろうとしたが、ダイのそんな足で日が沈む前に帰れると思ってるのかという一言で、好意に甘えることにした。
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