この雪の下で春を待つ

あの日から1週間ほどたった。

リークの傷は徐々に治っているものの、まだ完治するには時間がかかりそうだ。あの日から2、3日に1度ダイが回診に来てくれる。

あの日の翌日、リークとフーはダイに助けてもらいながらも修道院の地下の部屋に戻った。

その部屋には、ダイが置いて行った食料や毛布が置いてあって、リークはしっかりと包帯が巻かれた足を見る。

結局、ダイが何をしたいのかリークには理解できなかった。それに、フーが言ったことも気になる。

頭の整理がつかなくて、軽く頭痛がする。心なしか、少しだるさと寒気がする。ため息を吐き出したリークに、片づけをしていたフーが振り返る。

「リーク?」

「少し疲れただけ。大丈夫だよ」

心配そうに自分を見るフーに笑いかけるが、正直体がだるい。もう一度ため息を吐き出したリークは、いつの間にか目の前にいたフーに笑いかける。

フーは手を伸ばしてきて、額に触れた。触れた手が冷たくて、心地よかった。
< 134 / 203 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop