この雪の下で春を待つ

「リーク、お熱」

「っえ?」

「いつもより、あったか」

大丈夫?と聞いてきたフーに大丈夫と返そうとして不意に口を閉ざす。

発熱、寒気、頭痛…。

まさか、そんなこと…。

フーに伸ばしかけた手を引っ込めて、自分の手のひらを見つめる。

リークの行動に、フーは首を傾げリーク?と呼んだが、リークは気づいていない。

まさか、まさか、まさか…

フーがいることも忘れて、その場で服を脱ぐ。突然の行動にフーは目を丸くして、状況を理解していないようだった。

「リ…リーク、寒い…よ?」

フーの言葉も、風の音もリークには聞こえていなかった。
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