この雪の下で春を待つ
「リーク?」
「…フー、出て行け」
「っえ?」
「いいから、早く出てけ!!」
突然過ぎる別れの言葉に、フーは当たり前のように戸惑った顔を見せる。
それでも、リークは心を鬼にしてフーを助けるために思ってもいない言葉を吐く。
ようやく意味を理解したフーは、泣き出しそうな顔をして手を伸ばしてくる。
「リーク…」
「触るな!もう二度とここに来るな、お前の顔なんてもう見たくない!!」
自分でもわけわかんないと思う。
突然こんなこと言って、一緒にいようって約束したのに…。自分で言った約束を守れないなんて最悪じゃないか。
それでももう、こうする事しか、自分にフーを守ることなんて出来なくて…。
フーは伸ばしてきた手を下ろして、ふらふらと立ち上がってそのまま部屋を出て行った。
1人になって、部屋の中を眺める。
こんなにこの部屋を広くて、冷たいなんて思ったこと初めてだった。自嘲気味に笑って、リークは服を纏うとその場に倒れ目を閉じた。