この雪の下で春を待つ

苦しそうなリークの呼吸。1人にしてしまった後悔がどっと押し寄せてくる。空いた時間を埋める様に、リークの体を抱きしめた。

自然と頬を伝った涙を拭い、袋の中から2粒木の実を取り出す。

それをリークの口にいれて、ダイくれた水を飲ませる。リークは少しむせたが、それもすぐに収まった。

後はもう、リークから離れないように傍にいて凍えてしまわないように温めるだけだ。それしかフーに出来ることはない。

リークの身を横たえて、その隣に自分も寝る。

横になると今までの疲労が襲ってきて、一気に瞼が重くなる。眠気に逆らって、真っ赤な毛布で自分とリークを包む。

それが終わると、抵抗もむなしくフーは眠りの世界に引きずり込まれた。
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