この雪の下で春を待つ
「フー…ごめんな」
あんな風に追い出して、もっと違う言葉があったかもしれないのに。どうして自分はあんなやり方しか出来ないんだろう…。
こんなことになるならいっそう、フーと思いっきり遊んでいればよかった。そうすればきっと、こんな後悔もっと少なくて済んだかもしれないのに…。
いいや、そもそも出会わなければよかったのかもしれない。
フーに不幸にするくらいなら、いっその事出会わなければ、そうすればフーが泣くこともなかった。
「フー…ごめん、ごめん…」
約束も、何も守れなくてごめん…。
止まらない涙が頬を濡らす。
すると、左手が少しだけ温かかった。涙は右手も触れているのに、どうして左手だけが…左手をそっと引き寄せる。すると、わずかに体も温かくなった。