この雪の下で春を待つ
「…馬鹿な奴ら」
必要な時にしか話しかけても来ないような奴らだ。こんな絵の1つや2つで大金を差し出す。本当に愚かで、馬鹿な奴ら…。
だが、そんな彼らのおかげで何とか生き抜いているのだ。文句を言うのは命取り。
リークは黙々と作業を続け、日が影って暗さで何も見えなくなる前に作業を止めた。
腐りそうな食料を取り出してそれを胃に流し込む。いつも空腹だが、外にいる奴らよりはずっとましだ。
完全に視界が利かなくなった頃にリークは身を横たえた。
本当は掛布団が欲しいところだが、生憎持ち合わせてはいない。なるだけ鉄格子から離れて身を丸めた。
初めは寒さでとても眠れる気分ではなかったが、やがて瞼が落ちて気づいたときには完全に眠っていた。