この雪の下で春を待つ
「フー、どうしたんだよ」
「…食べる…いや」
フーは、パンを握ったまま食べようとしなかった。
リークはフーを膝の上に乗せて頭を撫でてやる。気のせいだろうか、以前より体重が軽い。それに最近寝てばかりいる。
起きていてもぼんやりしていることが多く、呼んでも振り返らないことが何度もあった。
今だって、食べたがらない。今までは少しだけでも口にしていたのに…。
「フー、食べなきゃ元気になれないよ」
返事が返って来ない。顔を覗き込むとまたぼんやりと虚空を眺めていた。